ひとひろ

日常より、もう少し深いところへ。ひびのこと、たびのこと、ならのことを綴ります。

ひとひろ

【きせつのええこと】幻燈ゆらゆら月明かり 【秋・采女祭】

天の原、ふりさけみれば。
今年の10月4日は仲秋の明月でしたね。
お天気が心配でしたが、奈良は晴れ。
ぽっかりと、まあるいお月さまがお空に浮かんでおりました。

興福寺東大寺からほど近くにある、猿沢池
神秘的な夜に執り行われる、采女に行ってきました!

采女祭/毎年中秋の名月の日に開催】

f:id:koucredo:20171007102854j:plain

水面に揺れるは采女の涙

平時は亀がいてのどかな、猿沢池
ここには、ひとつの伝説があります。
奈良時代に帝に仕えていた采女(うねめ)が、帝のご寵愛が衰えたことを嘆いて、池に身を投じました。
その霊を慰めるために社を建てましたが、采女は池なんて見たくない!と一夜にして社を後ろ向きにしてしまったそうです。
彼女を慰めるための神事が、月の綺麗な夜に、執り行われます。

f:id:koucredo:20171007103704j:plain

池は、たくさんの提灯や篝火に彩られて。
采女に捧げる花扇を奉納する神事が、夕刻から順次執り行われています。
駆けつけた私は、クライマックスの「管絃船の儀」から見ることに。

二隻の船が、池をゆったりと回ります。
人が多くてなかなか拝めませんが、鮮やかな布をまとった船は幻想的でした。
花扇を池に投じる場面は、思わず固唾を呑んで見守ってしまいました。
愛するひとを想った、ひとりの女のひとの魂が、あののどかな池に在るのだと思うとなんだか神妙な気持ちになりました。
美しく、少し切ない。
月明かりに照らされながら、物想うひとときでした。

f:id:koucredo:20171007104406j:plain

月明かりに糸をかざして

もうひとつ、やってみたかったことに挑戦しました!
後ろ向きのお社、采女神社には今宵だけしかできない、とある占いがあります。

f:id:koucredo:20171007104507j:plain

糸占い、ひとつください!」

f:id:koucredo:20171007104524j:plain

月が一番美しい日に。
月の明かりだけを頼りに、赤い糸を針穴に通すことができたら願いが叶うのだそう。
裁縫が大の苦手な私ですが、挑戦してみましょう!

f:id:koucredo:20171007104817j:plain

袋の中身はいたってシンプル。
赤い糸が針にぐるぐると巻きつけられています。
これをほどいて……いざ。

f:id:koucredo:20171007104950j:plain

「うーん……」

f:id:koucredo:20171007105105j:plain

「……銀のあれ、裁縫セットに入ってるやつ、家に帰ったらあるで?」
「それ反則や」

結果は惨敗でした! 心願成就ならず。
超難易度が高いですが、よかったらみなさんもやってみてくださいね。

f:id:koucredo:20171007105422j:plain

奈良の夜がにぎやかなのって、結構珍しくって。
普段とは違う横顔を見た、楽しい夜でした。
読んでいただき、ありがとうございました。

 

ゆのじ

▼来年の中秋の名月はここで

https://www.instagram.com/p/BZ18q0ohGux/

はじめての #采女祭 でした。#猿沢池 が幻灯に囲まれて綺麗だった! 糸占いは入るわけありませんでした。#nara #narajapan #奈良 #大和 #古都 #観光 #おそとのええとこ