※2018年7月リライト
「一蓮托生」という言葉が昔から、好きです。
泥濘の中からすっと伸び、凛とした姿で咲く蓮。
あの澄んだ紅をどうしても拝みたい。
「ロータスロードの蓮を見て浄土に近付きたい」
ちょっと雨降りだった頃に叶った、やりたいことのひとつのお話。
夏目前、蓮の花を見に行こう
「蓮を見て、浄土に近付きたい」
それは、今にも泣き出しそうな梅雨空の日でした。
薬師寺前に集合し、いざゆかん。
今回のおそとのええとこは、蓮の道――ロータスロードを巡ります。
ロータスロードとは、奈良・西ノ京エリアにある、西大寺・喜光寺・唐招提寺・薬師寺の四つのお寺を巡る道。
梅雨の季節に花開く、蓮を探訪する企画です。
2018年は6月15日(金)~8月19日(日)まで開催しています。
2018年から西大寺が新しく加わりました。
2000枚限定の、ロータスロードの特別拝観券(3600円)を購入することで、以下の特典が。
- 西大寺(本堂)・喜光寺・唐招提寺・薬師寺の拝観券
- ロータスロード限定御朱印納経料
- 散華
- 記念品のトートバッグ
この特別拝観券は……
- 西大寺(本堂)・喜光寺・唐招提寺・薬師寺の拝観受付
- 奈良市総合観光案内所・奈良市観光センター
- 奈良まほろば館(東京)
など、様々な場所で買い求めることができるので、どこから攻めても大丈夫!
今回(2017年)は薬師寺から北上するルートをとることにしました。
じめじめとした天気にも関わらず、同じ御朱印帳を持った人の姿もちらほら。
※この御朱印帳は2017年開催時の記念品です
薬師寺
薬師寺、入ってすぐに並ぶ蓮!
ちょうど見頃の美しい姿でした。
教科書にある「薬師寺東塔」は工事中でしたが、伽藍建築の妙に感嘆しきり。
境内は本当に広いのでたっぷり楽しむことができますよ!
唐招提寺
しかし、ここらですでに雲行きが怪しくなってきたので、名残惜しいですがてくてく歩いて唐招提寺に向かうことにします。
唐招提寺といえば、鑑真ゆかりのお寺。
歴史の時間を思い出して……古の心を偲びます。
こちらも雰囲気のあるスポットがたくさん。
大陸から伝わってきたままのカタチを残しているものがあったりと、どこか異国の趣も感ぜられる場所でした。
そうそう、蓮は色々な場所にあるので、探しながらぐるりと歩いてみてください。
また、唐招提寺は売店も充実していて素敵!
雑誌『ならめがね』の御朱印帳特集に、御朱印を入れる袋が載っていたのですが、実物を見たらときめきが止まらなくなってしまいました、なんて余談も(2017年当時)。
ロータスロードは、てくてく散歩にぴったり
どんどん曇っていく梅雨空を眺めながら、残る喜光寺を目指して歩きます。
のんびりした道、奈良らしい風景がたまらない。
道中、大きな古墳が現れたのでついつい足を止め、田道間守の物語を初めて知ったのもこのときでした。
歩くのが大好きなので、ついつい寄り道してしまいますね。
同行者のにーさんも傘を片手に呆れ顔。
ロータスロード、結構いい距離があるので歩きやすい靴で臨んでください!
喜光寺
悪天候だったこともあり、喜光寺に着いたときには思わず歓声を上げてしまいました。
陸橋の上からでも分かるほど、たくさんの蓮が並んでいます。
紅に誘われるように、門をくぐって……雨の中、傘を放り出さん勢いで駆け寄ってしまいました。そのくらい、美しい光景。
ロータスロードの期間に合わせて、秘仏「宇賀神像」も公開されていました。
ちょっと怖くて、思わず「ごめんなさい」と全力で日頃の不肖ぶりを謝罪。
奥の休憩所ではお茶も用意されていて、まったりと過ごすことができます。
ハッピーバースデー! 鷽替え神事
いやはや満喫、と言いたいところですが。
この日(2017年6月25日)は私にとって大切なイベントがありました。
敬愛する菅原道真公の誕生日、ということで「鷽替え神事」に参加せねばならぬのです!
会場は喜光寺のすぐ近く、菅原天満宮。
大雨の中、向かうと異様な熱気が。そして溢れかえる人、ひと、人!
神事に、どうしてこれほどまでの人が集まるのでしょう?
百聞は一見にしかず、まずは入口で木彫りのマイ鷽を買い求めましょう。 箱にはナンバリングがされています。
マイ鷽には愛着が湧きますが、これからこの「うそ」をみんなで取り替えっこすることで「まこと」に変えてゆくのです。
年配の宮司さんのルール説明には、なんだかほっこり。
言い忘れて後ろから耳打ちでごにょごにょ、なんて場面もあったりして、アットホームな空気で会場にはすでに一体感がありました。
さあ、始めましょう!
「かえましょ かえましょ」
掛け声をみんなで掛けながら、雨除けのテントの中でぐるぐると……手にした鷽を交換していきます。
老若男女、向き合ったら笑顔で「かえましょ!」
そうして手元に来た新たなマイ鷽。
抽選で番号を呼ばれ、見事手元の番号と一致したら豪華賞品を貰えます。
抽選のときもゆるい雰囲気で、終始笑いっぱなしでした。
商品が変わる度に「かえましょ」をするのですが、だんだんみんなが疲れてくるのが面白かったです。全力で楽しめた神事でした。
そうそう、私は道真公ゆかりの筆が欲しかったのですが、あえなく惨敗。
最終的に手元にありがたい鷽ちゃんが来たので、大切に部屋に飾っています。
またあなたと、この蓮を
蓮の葉っぱって、水をころころと弾くのです。
それがなんとも言えぬ愛おしさを感じさせて。
雨の予報に肩を落としていましたが、雨だからこその眺めをたくさん見ることができました。
私のやりたいことを「やろう!」の一言で、雨の中付き合ってくれたにーさんに感謝。
一蓮托生。
またあなたと、何度でも蓮を眺めたいなと思った一日でした。
うそを、まことに。
鷽に託した願いも、叶いますように。
読んでいただき、ありがとうございました。
▼ 今回訪れたええとこ
ゆのじ