ひとひろ

日常より、もう少し深いところへ。ひびのこと、たびのこと、ならのことを綴ります。

ひとひろ

*さくらあつめ

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春の嵐が通り過ぎ、桜の木々はすっかり花を散らしてしまった。
奈良では、咲くのが遅い八重桜が春を追いかけるように、ぽこぽこと花開いている。

別に普段から宴を伴う花見をしてきたわけではないけれど、今年はいつになく静かに花を楽しんだように思う。
桜の美しい場所が生活圏にあることを少し後ろめたく思いながら、散歩、と呟いて花を見た。
そんな桜を集めてみる。

佐保川・夕

佐保川の桜には幾度となく救われているから、勝手に恩義を感じている。
顔も見せずに春を終えることはどうしてもできなかったので、仕事帰りに。

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傾いた陽がガードレールに反射して、光の道筋を作っていた。
追いかけるように、追われるように、桜の中に迷い込んだ。

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川がどうどうと流れる音を聴きながら歩く。

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追いかけるように、追われるように。
この日の夕陽はとても美しかった。

見上げれば、月。

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興福寺・昼下がり

駅からほど近いこともあり、いつも足を運んでいる興福寺。

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猿沢池の対岸から眺める南円堂。
隣に並んだ、昔ながらのお土産屋さんが軒並み閉まっているのが切ないなあ。

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花より草に夢中な鹿を見つけた。

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ほうっと見上げていたら、花が落ちた。
散る姿も美しいけれど、花の形を残しているのも、いとおしい。

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少し離れたところから、五重塔。
柳と桜が、三色団子に見えて仕方がないのは私だけかなあ。

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興福寺の五重塔、本当に好き。
堂々と立っている姿が頼もしいし、夜ライトアップされているときはあでやかだし。

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春から生じた、五重塔。綺麗だね。

佐保川・朝

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在宅勤務がはじまった初日。
普段は朝が早すぎて叶わない夢を叶えた。
それでも早いので、散歩をする人の姿もまばらで。
足早にすれ違わなければいけない現実は悲しかったけど、桜はただただ、美しかった。

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花筏ができていた。
よく見ると、竹を渡すことで流れを緩やかにせきとめていて。
地域の方が心を尽くしているのが伝わってきた。

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まだ夢から覚めていないようだ。

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朝の光は、当たり前だけれど夕方のものとは違っていて。
きらきらと輝く水面に目を奪われて、つい家に帰るのを忘れてしまいそうになる。
(ちゃんと帰ってお仕事したよ)

今年は、桜の記憶を丁寧に集めた年になった。
また来年。
穏やかな気持ちで春を迎えられることを、願っている。

ゆのじ