奈良について学び始めて、行きたいところがたくさんできました。
「でも……ここはなかなか行くのが難しいかな」
車の運転ができないこともあり、物理的な距離の壁が立ちはだかることもしばしば。
そう思って、いたのですが。
▼ これまでのお話 ▼
【おそとのええとこ】一歩踏み出す勇気を(1)【奈良-下北山村・十津川村】 - ひとひろ
【おそとのええとこ】一歩踏み出す勇気を(2)【奈良-十津川村/瀞峡】 - ひとひろ
【おそとのええとこ】一歩踏み出す勇気を(3)【奈良-十津川村/川舟観光かわせみ】 - ひとひろ
【おそとのええとこ】一歩踏み出す勇気を(4)【奈良-十津川村/吊り橋】 - ひとひろ
【おそとのええとこ】一歩踏み出す勇気を(5)【三重/丸山千枚田】 - ひとひろ
【おそとのええとこ】一歩踏み出す勇気を(6)【奈良-十津川村/上湯温泉・神湯荘】 - ひとひろ
【おそとのええとこ】一歩踏み出す勇気を(7)【奈良-十津川村/熊野古道 小辺路・果無集落】 - ひとひろ
さすがに無理だと思うことがあります
十津川村ときいて、まず行ってみたかった場所があります。
それは玉置神社という神社。
荻原規子さんの『RDG』という本で、主人公の少女が住んでいる神社のモデルになった場所です。
(小説は読みきれていないのですが……)
主人公がもう、めちゃくちゃ田舎育ち!という描写が印象的でした。
その舞台が、奈良・十津川村にあります。
ゆのじの中では野迫川村に次いで、行ける気がしなかった場所です。
物語の中の場所?
行ってみたかったけれども、小説の世界を見ていたら途方もない世界のように思えて。
まさか自分が訪れられるとは、夢にも思っていませんでした。
でも、どうやら行けるらしい。
もうすっかりお馴染みになった山道をゆき、なんとか駐車場にたどり着きました。
ここからしばらく歩いて、神社を目指すのです。
あいにくのお天気で、あたりは冷え込み、じっとりと靄が立ち込めています。
幽玄の世界へようこそ
友人と言葉を交わしながら、目にうつるものを追いかけながら進んでいたのですが……
単調に続く、同じような景色。
霧の中にけぶる、世界。
小さな雫をつけた蜘蛛の巣が、まるで衣のように木の枝に引っかかっていました。
本当にたどり着けるのだろうかと、一抹の不安すら浮かんできます。
でも、大丈夫でした。
体感時間がよく分からなくなってしまったのですが、きちんと本殿に到着しました。
もやもやして、全容が見えない。
玉置神社の「玉」に力を
本殿から少し上ったところに、末社玉石社がありました。
御神体は、玉。
その玉を求めてくる人もいるようです。
そんな由緒にほうほう、という間もなく。
玉置神社は玉置山の山頂に位置しているので結構上ります。
体力のないゆのじはぜえぜえと息を切らしていたのでした。
訪れる際は、ぜひ歩きやすい格好で。
自然の音がただただ、カラダを満たして。
冷たい木の肌に触れるとき、ココロがぞくっと震えて。
日常とは切り離されたような幽玄の世界が、そこには広がっていました。
諦めないで、願うこと。
一歩踏み出してみれば、遠いと思った世界にも、案外行けるのかもしれません。
読んでいただき、ありがとうございました。
ゆのじ