たまに勇気の出力がおかしくなる小心者、思い切って文学フリマ京都8に販売側で参加してきました。
もうね、めっちゃ楽しかったです。
十年ぶりに自分の作品を本の形にしたこともそうだし、なにより作品を手に取ってもらえたことが嬉しくて。
作っているときは最初で最後のつもりだったのに、終わった瞬間からまたやりたい気持ちがむくむくと。
だから、今後の自分に向けて備忘録を残しておこうと思います。
御礼とお詫び
まず最初に、本を手に取ってくださった方、ブースに足を運んでくれた方、応援してくれた方に御礼申し上げます。
そして当日販売したエッセイ本『しかしなにもおこらない』をご購入いただいた方にはお詫びを。
奥付の本のタイトルが、同時刊行の『疲れたあなたに奈良療治』になってしまっています……
同じページ数で同時進行していたため、なにかやらかす危惧はあったのですが、一番大切なところを間違えてしまいました。
大変申し訳ございません。通販分からは修正しています。
通販しています!
こんな本を出しました。
www.hito-hiro.com
なんとありがたいことに、初回印刷分がイベントで完売いたしました。ありがとうございます!
若干部数増刷をかけましたので、気になるけれど遠方でという方はぜひショップを覗いてみてください。
ありがたいことに、通販分もあっという間に在庫が少なくなってきております。
配送は匿名となります。
お手数ですが送料のご負担だけご了承いただけますと幸いです。
どうでもいいですが、通販の方には奈良愛多めの梱包でお届けしています。
イベント前日「本を届ける入り口」
まず午前中から、家のテーブルで設営の予行演習。当日スムーズに準備ができたのでやっておいてよかったと思いました。
私の文学フリマは前日からはじまっていました。しかも奈良で。
近鉄奈良駅から、奈良公園とは反対側にすこし歩いたところにある油阪船橋商店街。
素敵なお店がたくさんあるオススメの商店街ですが、ここに昨年、ほんの入り口という書店ができました。
ほ ん の 入 り 口 | small steps to books
日頃からイベントを色々開催されていて、今回も「本を届ける入り口」ということで文学フリマに出展する何名かが在店されるそう。
これは行くしかない! と勇気を出して入り口へ。
ビーナイスの杉田さん、代わりに読む人の友田とんさん、水野ゼミの本屋さんの松吉さんがいらっしゃいました。
勇気の出力を多めにして、翌日の文学フリマに初出展しますと名刺カードをおずおず差し出す私。
店主の服部さん含め、みなさんとてもあたたかく接してくださり、緊張がすこしほぐれる思いでした。
なんと同じく初出展のモリコレbooksさんと、ブースがとても近いと教えてもらったりも。
勇気を出すといいことがある、みたいな本を作っておいてなんなんですが、それは本当ですね。
イベント当日のあれこれ
当日朝の設営ボランティアに夫が参加するので、一緒に搬入をお願いしました。
設営練習のおかげでスムーズに準備ができ、どきどきそわそわ。
お隣さんとお話をしたり、昨日ニアミスだったモリコレbooksさんにご挨拶に行ったりと、緊張しながら開場を待ちます。
そして十一時になり、開場のアナウンスにみんながわっと拍手をしてイベントが始まります。イベントじゃないと味わえないぞくっとしたよろこび。
年々イベントの規模も大きくなり、参加者も増えているようで、すぐに会場には多くの方の姿が。
私はといえば、昨日の勇気はどこへやら、控えめに声をかけてみたり、そわそわしたり。
でも初めてのお客様がいらした瞬間、なんか全部吹っ飛びましたよね。めちゃくちゃ嬉しかった!
自分の読みたいものを目掛けてきてくれるってすごすぎるなと改めて。
見本誌コーナーで手に取ってくれたり、WEBカタログでチェックしてくれたりと、SNS以外の接点で来てくれる方もいてびっくりしました。
『疲れたあなたに奈良療治』というタイトルを通りすがりに口ずさんでくれるだけで嬉しかったです。
(あまり奈良のことを書いていないので、今度はがっつり奈良の本を出したいねえ)
新しい出会いはもちろん最高に嬉しいのだけれども。
Twitterでイベント参加するよと告知していたら、様々な人と再会できて心が震えました。
学生時代の友人や、何年か前にSNSを通じて交流していた方など……まさかこんなところで会えるとは。
大体ちょっと孤独、みたいな人生だと思っていたけれど私はひとりじゃないんや……
そんなこんなで予想はしていましたが、誰かに作品が届くのが嬉しくて、全然ブースを離れられませんでした。
一度だけ夫に交代してもらい、お目当てのお店を巡ります。
はてなブログ民として、しょぱあつのあそさん・あとりさん、オキカエのアコさん・KiEさんにご挨拶できて嬉しかった!
「ゆのじといいます……」と最後の最後で言い逃げするスタイルになっちゃったのまじで通常運転すぎて。シャキッと喋れるようになりたい。
前日にお話してもらった方々ともイベント中に再会し、楽しんでます! と笑顔で言えてよかったです。
閉幕の直前に用意した本が完売し、すごく晴れやかな気持ちで一日を終えることができました。
(そして帰宅後、奥付の間違いを知って愕然とする)
ああ、楽しかった。
やっぱだめだ。私はつくることを諦められないんだ。
そして存外に私は人と喋るのが好きなんだ。
見つめたら魅入られてしまうから目を背けていたけれど、私はつくるひとであり続けたいのだと思い知らされました。
許される限りは、なにかを生み出して生きていくぞ。やるぞやるぞ。
日記本に、泣きながらパフェを食べる一節を書いたのですが。
夫と二人、燃え尽きてへとへとになりながらもデリーモ様に辿り着き、最高に美味しいパフェを食べました。
そう、泣きながら食べたのも同じお店でした。
ままならない日々の中、創作活動をするのは時にしんどくもあったけれど、美味しいねえありがとねえとパフェを食べられたから、よかったです。
パフェはね、しあわせの食べ物だからね。
私の初めての文学フリマは、しあわせの思い出として記憶されることになりました。
準備したもの
さて、最後に一応、準備の話。
使わなかったものや、逆にあればよかったなと思うものをつらつらと書きます。
次回もどこかで出展したいなという気持ちが透けて見えますね。
頒布物
- 『しかしなにもおこらない』
- 『疲れたあなたに奈良療治』
- フリーペーパー
- 名刺カード
設営用小物
◎ テーブルクロス
家で使っているテーブルクロスを持っていきました。
撥水リネンなので頼れるやつ。
うっかり醤油のシミがそのままだったので見せる面に苦労して設営。
bon moment 撥水 シワになりにくい リネン混テーブルクロス 130×180cm/ボンモマン | アンジェ web shop(本店)
◎ 養生テープ(白)
DAISOで購入したのですが厚手で粘着力もしっかりしていてよかった!
テーブルクロスを固定する、ポスターを貼るのに使いました。
ブースにあらかじめ用意されているサークル名の用紙の裏に貼って補強してから貼ると、布にも貼りやすかったです。
◎ ファイルケース
A4サイズのクリアファイルが入るもの。入場証やマニュアル、カタログなどはここに一元管理していました。
見本誌やPOPカードもまとめておいたので、探し回ることもなくスムーズでした。
◎ POPカード 黒
職場で使ったカードの残りを使いました。白のポスカで書いたら統一感が出てよかった気がする。
ブース番号のカードを作って、ラミネートの上に貼れば使い回せるやんと思ったのですが、ポスターがやられてしまった(後述)ので次回要検討です。
◎ クッキー缶
おいしいクッキーが入っていたクッキー缶!
コインケースを運んだり、販売部数管理用のスリップを入れて使っていました。
◎ コインケース
DAISOで買った、お札も入るやつなのですが、小さくて結局お札は別で入れたので、500円玉と100円玉だけ入るものにしたほうがよかったかも。
◎ お札用ポーチ
雑誌の付録だった、LeSportsacのもの。馬が可愛くて闇市(メルカリ)でお譲りいただきました。
お札がいい感じに入って便利!
◯ ミニチュアのレジカゴ
あまりの可愛さにDAISOで買ってしまったミニチュアのレジカゴ。
名刺カードを入れて、コバちゃんの前に置いておきました。可愛かったのでよし。
◎ アクリルスタンド
見本誌用のブックスタンド、DAISOで購入しました。
A6サイズの本を作ったので、ワイヤーのスタンドだとうまく立てられない可能性があったためアクリルにしました。
コンパクトだけれどちゃんと支えてくれて、文句なしでした。
◎※ A3サイズのラミネートポスター
テーブルクロスの前に垂れた部分に貼る用のポスター。
A4を二枚分、機械いらずのセルフラミネートのものを使用したのですが、養生テープで貼り付けた際に裏側のフィルムが剥がれてしまい……
持ち運びやすくするために半分サイズにしたのに、結局は繋げて持ち運ぶことになりました。
長く使えるものにするなら、ちゃんと機械を通してラミネートしたほうがよいてすね。次からはキンコーズかどこかで作ります。
あとジャンルを書いておいたほうがよかったかな……と若干思ったり。
文具類
✕ 30cm定規
何かを切ったりするのにいるかなと思って持参したけれど、特に使いませんでした。
✕ メジャー
長机半分のブースサイズを計測するのにいるかなと思いましたが、ちゃんとシールが貼ってあったので不要でした。
△ ほっちくる
ペーパーを作る際に活躍。当日は使いませんでしたが、ギリギリまで作業したりするならあった方が安心かも。
◎ 電卓
今回はオペレーションの負担を減らすために一律価格、キリの良い価格にしたため不要でしたが、なにかと不安になるので次からも必ず持参。
△ セロテープ
マスキングテープで兼用できたので、次回は要検討。
◎POPカード
黒のPOPカードを多めに持っておきました。
完売の札を先に作って全然売れなかったら悲しいので(阪神のAREみたいに……)現地で作成しました。
◎ マスキングテープ
カードを貼ったり、なんやかや使ったので次回も続投。
✕ 両面テープ
不安すぎてありとあらゆるテープを持っていっていたのですが、両面テープもなくても大丈夫だったかな。
◎ はさみ
◎ カッターナイフ
◎ ボールペン
あると安心!
◎ ポスカ
完売の札を書くために使用。
古かったのでインクが死んでいたため、新調した方がいいかも。
△ メモ帳
販売管理に正の字も書いてダブルチェックするかもと思っていましたが、そんな余裕がなく。
少部数のため、今回は自作のスリップを挟んでおく管理にしました。
「ゴロリ、今日はスリップを作るよ!」って言ったら夫がもりもり作ってくれた。我が家のゴロリはワクワクさん(私)より格段に器用なのだ。
反省点・次回活かしたいこと
ペーパーに名前を書こう
印刷所にお願いする本はイベント前に用意ができていたけれど。
お馬鹿な私は、どうしても中綴じがしたくなってしまいました。
イベントまで一週間を切っているのに突貫で原稿を書き、表紙を描いて割付をして……完成までまだあるところで、エンジンが止まりました。
ゴールが見えかけたら燃え尽きるのは悪い癖。
裏表紙が埋まらないと床に転がって、そのまま冊子を完成としました。
結果、フリーペーパーに名前もブログのアドレスも何も書いていなかった。
もらった人も大困惑だよ!
一緒にカードを渡したからなんとかなったと思いたい……
釣り銭は高額紙幣対策≪小銭
釣り銭の用意の仕方もよく分からなかったので、高額紙幣にも対応できるようにまんべんなく用意してゆきました。
今回はオペレーションを鑑みて一律価格、お釣りが出にくい設定だったので、小銭をもっと用意してもよかったかも。
ほんのすこし深いところへ
「ひとひろ」は一尋、手を広げたくらいの長さの単位。
両手で抱きしめられるくらい、うんと深くはないけれど浅くはないくらい、をイメージしてつけました。
このほんのすこし、が自分にとっては大きいんだなと思うことばかり。
今回も、ささやかではあるけれど自分には大きな一歩となりました。
備忘録も兼ねてすべてを書いたら、すごいボリュームだ!
またいつか、どこかのイベントに参加したいなと思っているので、ふんわり見守っていただけたら嬉しいです。
奈良の本も書きたいし、長きに渡る菅原道真愛を詰め込んだ本が今は作りたいです。
私だけでなくあなただって。日常よりちょっと深いところまで行くのがひとひろなので。
ああ、楽しかった!