ひとひろ

日常より、もう少し深いところへ。ひびのこと、たびのこと、ならのことを綴ります。

ひとひろ

*おまかせオートでない人生を。

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思ったよりも、写真を撮ることにハマっている。

あまり誰も信じてくれないけれど、引きこもりインドアで出不精な私。
できることなら永遠にお布団でごろごろと過ごしていたい。
そんな人間が、今年のお盆休みも早起きしてカメラを持って、色々な場所に遊びに行った。
もちろん、ごろごろもしてはいる。
でも、写真を撮りたいなと思ったら、身体の奥から動くエネルギーが湧いてくる気がするのだ。
なんでなんだろ、と日々ぼんやりと考えている。

カメラを持つのは、初めてではない。
ひとり旅の楽しさを知りはじめた頃に、ちょっといいデジタルカメラを買った。
(調べたら、2015年の年末。もうそんなに経つのか)
携帯よりも美しく撮れる楽しさを知ったから、どこに行くにも連れて歩いた。
この子は、今でもお気に入りのカメラだ。
でも実は、購入の決め手は、オートモードだった。
ボタンをぐりぐりと回すだけで、色の鮮やかさや明るさを変えることができる。
F値とか、シャッタースピードとか。
難しいことはあまり考えなくても、綺麗な写真を撮ることができる。
つまりは思考停止ができる便利さに、惹かれたのだ。
だからいつだって、ダイヤルはオートモードのまま。
ボタンで簡単に変えられる程度の変化しか、これまでの私は求めていなかった。

思えば人生だっておんなじで。
先生に言われるがままに大学を決め、親の顔を見ながら就職を決め、同僚の顔色を伺いながら仕事をしてきた。
なんとなく人生のレールに乗っかって、おまかせオートで進むのは楽だった。

***

少しだけモードが変わったのは、結婚と同時に、奈良県民になることを決めたとき。
ずっと親元でのんびり暮らしてきたから、本当にできるの?ととても心配された。
安寧を全部振り切って、奈良に来ることを選んだとき、ダイヤルがちょっと回った気がする。
新しい生活がはじまると、当然だけれど自分で決めなければならないことが増える。
どきどきするし、楽しい。まっさらな感情を知った。

そうやって二年、奈良県民としての生活を楽しんでいる最中に、新しいカメラを迎えた。
思考停止して、一度は挫折した世界に足を踏み入れる。
はじめてカメラを持って旅に出た。
操作に慣れずもたもたする私に、友人がそっと手を差し伸べてくれた。
「せっかくだし絞り優先にしてみよ! 明るさも明るくしちゃお!」
そうしてファインダーを覗いて、ぱしゃり。今までと雰囲気の違った写真に、めちゃくちゃ胸が高鳴った。
もっと自由に、生きられる。そんな気がする。

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そこから四か月、本当に気ままに、写真を撮っている。

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日常スナップを撮るのはあまり得意ではなくて、どちらかというと風景撮るぞー!って撮ることが多いけれど。
もともと絵を描くのが好きだから、道具を使って自分の好きな世界を表現するのが楽しくて。

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こう切り取ろう、こんな色がいい、と考えて、好みの一枚になると嬉しい。
好きこそもののなんとやらで、あんなに分からなかったF値とかシャッタースピードも、感覚では分かるようになってきた。

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オートモードは、最近はあまり使わない。
おまかせオートでない人生は、ドキドキするけれど、とっても楽しい。

奈良も、写真も、その他も。
いいものにたくさん出会えてよかったねって、最近よく思う。
好きなものに素直に、これからの人生も愉快に、生きよう。
合言葉は、好きなように、

もっと自由に。

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ゆのじ